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〜 ミニチュアカーのスケールと製法 〜

スケールについて

 ミニカーのスケールには、国際標準規格の1/43の他、1/87、1/64、1/18等があり、他にも様々なスケールが存在します。
スケール
ウ ン チ ク
1/43
 国際標準とされているスケールです。普通乗用車が10cm程の大きさになり、それ程場所を取らずにコレクションする事が可能な上に、細部の再現もある程度可能である為、理想的なサイズだと言えます。コレクターの間では「ヨンサン」と呼ばれてたりしています。
 1/43と言うと、なんとも中途半端な数字の様な感じがしますが、これは'60年代に主流だった鉄道模型の0ゲージ(=ゼロ番ゲージ:オーゲージとも言いますね)の縮尺であった1/43.5からきている様です。
1/87
 ちょうど1/43.5の半分のスケール、つまり鉄道模型でいうHOゲージ(ハーフ・オーゲージ:エイチオーゲージと呼びますね、普通)が由来となっています。もともと1/87のミニチュアカーは、鉄道模型のジオラマ用に作られた物でしたが、その後クォリティが大幅にアップされ、ミニチュアカー単体でコレクションする方が増えてきました。1
1/64
 日本で言う「ミニカー」、いわゆる「トミカ」のサイズよりももう一回り小さいスケールです。従来、1/43に較べると玩具性が高く全体的に再現性は低いものが多かったですが、最近ではコレクション性を重視したハイクオリティの高いモデルが次々と発売されており、今最も注目されているスケールかも知れません。
1/18
 普通車の場合モデル全長が25cm前後と大きく迫力があります。このスケールのモデルは一般にボンネット、ドア、トランク等が開閉し、その内部まで再現されてるのが当たり前となっており、それらが閉じた状態で、如何に「散り」が合っているかがポイントになったりします。1/18モデルは、そのアクション性の割には価格が高くなく(4,000〜15,000円程)、最近では車種も豊富になってきています。と、まぁ良い事だらけの1/18ですが、最大の欠点は保管場所に困る事です・・・(苦笑)。
F.S. / N.S.
 スケールを統一せずに、大型車は小さく、軽自動車等は大きく作り、完成品自体の大きさを統一させる場合があります。これらは、ノンスケールとかフリースケールと呼ばれていますが、その代表的なのが「トミカ」。他のミニチュアカーとは一線を画する、なんとも言えない味のあるデフォルメが特徴です。何しろ子供の頃から手にするこのトミカ。低価格な為、一見コレクターの財布には優しそうですが、車種もバージョン(色違い等)も豊富な上、レアアイテムも多い為、じつはコレクター泣かせだったりします。
etc
 1/10、1/12や、プラモデルで使われる1/24スケール等もあります。
材質と製法

 ミニカーの材質には亜鉛合金、プラスチック、アンチモニー、レジン、ホワイトメタル、ポリストーン等があります。材質とそれに伴う製法が異なれば、完成品の重さ、質感、価格も変わります。
 以下に、それぞれの材質、製法の特徴を挙げてみます。
材 質
ウ ン チ ク
亜鉛ダイキャスト
亜鉛合金を材料にして、ダイキャスト製法で作られるものです。ダイキャスト製法とは、最初に木型を作り、それを元に精密金型(反転型)が作られ、その金型に炉で溶かした合金(この場合「亜鉛合金」)を高圧で流し込む方法です。この方法により、短時間に大量生産することが可能となっています。この時作られる精密金型は高価であり、それを還元する為に、作成されたモデルは薄利多売が前提となります。逆に言えば、良く売れると見込まれる車種しか、製造・販売する事ができません。亜鉛ダイキャストモデルは、適度の重さと丈夫さを兼ね備えており、ミニチュアカーの素材としては最も一般的です。
プラスティック
製法は亜鉛ダイキャストとほぼ同じです。精密金型が必要で、亜鉛合金の代わりにプラスティック(ABS樹脂など)を流し込む要領です。所詮プラスチックなので、重量感を望む事は不可能ですし、見た目も何となく「プラスチック」ですが、細かい部分の再現性は亜鉛ダイキャストに比べ格段に優れています。
アンチモニー
鉛をベースとして、その中にアンチモニーを数%含ませた物です。
重たい鉛合金を使う上に肉厚がタップリあるので、モデルの重量は大変重くなります。
高価な精密金型は不要なので(その代わり半ば手作り)、数百台程度の少量生産の完成品を作る場合に向いています。ダイキャストモデルと比較して価格は数倍になります。
レジン
プラスティック一般を指す言葉ですが、実際には無発砲ポリウレタンレジンやポリエステルレジンが使用されています。精密金型は不要なので、数百台程度の少量生産モデルに向いた製法です。型に使うシリコンゴム、レジン共に高価で、しかも製造は完全手作業になるので、キットでもダイキャストモデルの数倍と高価で、完成品はさらにその数倍にもなります。
ホワイトメタル
文字通り白い金属で、鉛と錫(スズ)の合金です。金属としてはかなり柔らかく、穴あけ、ヤスリがけ等の加工は比較的簡単です。型は自動車タイヤのような天然ゴム。レジンと同じく、精密金型は不要で、数百台程度の少量生産に向いた製法です。キット価格、完成品価格はレジンと同程度。
ポリストーン
高分子素材(ポリ)と石粉(ストーン)を混ぜ合わせることによって作られた材質で、コールドキャスト製法という方法を用いて加工します。レジン等と違い成型時に発熱しないので「コールド」キャストと呼ばれています。
ポリストーンは、プラスチックモデルの弱点であった重量感を補う材質で、プラスチックに近い精度と石に近い重さを有し、金属素材では難しかった、正確なフォルムのモデル化が可能となっています。一方、ウィンドウはブラックアウトされ、車室内のインテリアは存在しません。しかし、成型時に1個1個の収縮率が微妙に異なる為、製造工程のほとんどがハンドメイドになり、完成品には個体差があります。
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