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'05 JLOC MURCIE RG-1 #87

MAKER:EBBRO
MODEL No.:773
SIRIAL No.:
DRIVER:M. APICELLA、WADA-Q

 開催当初の'94年からランボルギーニ社のスーパーカーでJGTCに参戦し続けるJLOC(日本ランボルギーニ・オーナーズ・クラブ:Japan Lamborghini Owners Club)。もともとは'80年代に脇坂寿一センシュの父親が発足し、その後解散してしまったクラブの名前を継承する形で則竹功雄氏が'87年に発足したもので、'94年からランボルギーニによる本格的なレース活動が開始されますが、JLOCのその姿勢が、ワークスとしてレース活動をしないランボルギーニ社に認められ、遂にはJGTC専用車輛、ディアブロJGT-1を開発するまでになりました。
 トヨタ、ホンダ、ニッサンがしのぎを削るGT500クラスにおいて、ディアブロJGT-1の成績は決して芳しいものではありませんでしたが、'03年には過去最高位の8位を記録。また鈴鹿1,000kmレースでは5位入賞を果たし、JLOCは、'04年から参戦車輛をランボルギーニ・ムルシエラゴをベースとした新型マシン、ムルシエRG-1へとスイッチしたのでした。
 
'99年以降、VW・アウディグループの参加に入っていたランボルギーニ社が、ディアブロの後継機としてムルシエラゴを発表したのが'01年。それまで積極的なレース活動をしていなかったランボルギーニ社でしたが、このムルシエラゴをベースとして、FIA-GT選手権用マシン、ムルシエラゴR-GTを開発しました。開発はランボルギーニ社、アウディ・スポーツ、そしてオーストラリアのレイター・エンジニアリング(Reiter Engineering)によって行われ、オールカーボンのボディ、4WDのRWD化、6.2リッターV12エンジンの6リッターへの縮小、そして足廻りには親会社アウディ最強のスポーツカー、R8のものが移植されました。
 こうして作られたムルシエラゴR-GTは、'03年9月のフランクフルト・モーターショーで、社長のヴェルナー・ミシュケ自らが発表。JGTCに投入される事がその場で宣言されて話題になりました。その9月にイタリアのバレルンガでシェイクダウンされたR-GTは、10月下旬、FIA-GT最終戦モンツァにR. カペッロのドライブで登場したものの、トラブルの為決勝で走る事はありませんでしが、翌'04年のFIA-GT、バレンシアでの開幕戦では、デビューレースで3位入賞を果たし、マシンの素性の良さをアピールする事に成功しました。
 一方、JLOCの手に渡ったR-GTは、ノーマルのカーボンブレーキをスチールブレーキに変更する等、JGTC独自の仕様が施されて、ムルシエRG-1の名前が与えられました。日本到着が遅れた為、レースへのエントリーは'04年第2戦からでしたが、この時は排気系トラブルでレースへの出場はならず。また第3戦のセパンでは足廻りにトラブルを抱えてリタイア。その後新型エンジンの投入、軽量化、ワイドトレッド化により、ようやく最終戦で完走を果たしますが、そのポテンシャルは明らかにGT500の他のマシンと争えるものではありませんでした。そこでJLOCは、'05年シーズン途中からGT300クラスに2台目のRG-1(87号車)をエントリー。初戦となった菅生での第4戦でクラッシュ、炎上して関係者を騒然とさせる場面もありましたが、GT300クラスでは充分に戦闘力を発揮できる事を確認したJLOCは、第8戦以後、GT300クラス一本に絞る事になります。GT300クラスに移行するに伴い、リアタイヤのサイズが縮小された事により、マシンはオーバーステア傾向に悩まされる事になりますが、遂に'06年の鈴鹿サーキットでの開幕戦でクラス優勝を達成。これは'94年以来レースに参戦し続けていたJLOCにとって、初の優勝であり、ムルシエラゴが世界のレースで初めて優勝した記念すべき日となりました。
 左のモデルは'05年途中、GT300クラスにエントリーしたJLOCのムルシエRG-1の87号車でエブロ製。JLOCが以前走らせていたディアブロの安価な完成品モデルは、ミニカーショップのGP COLLECTIONに発注して作られたレジン製モデルしかありませんでしたが、遂にエブロからダイキャストモデルのランボの登場となりました。今回紹介する87号車の他に、GT500クラスにエントリーしていた88号車も同時に発売されましたが、どちらも非常に完成度が高く、惚れ惚れするデキです。JLOCは、ル・マンへのチャレンジや、S-GTへのガヤルドの追加投入等、最近俄にその活動が活発化しています。あの独特の甲高いエキゾーストノートをいつまでもサーキットで聴くことができるよう、これからも頑張って欲しいです。

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