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'06 Mobil 1 SC #6

MAKER:EBBRO
MODEL No.:805
SIRIAL No.:
DRIVER:A. IIDA、T. KATAOKA

 S-GTの前身であるJGTCが初開催した'94年からレースに出場していたトヨタ・スープラ(JZA80)。そのスープラも排ガス規制をクリアできないと言う理由で'02年をもって市販車の製造が中止されました。しかし、その後もトヨタのワークスチームはスープラでレースに参戦し続けます。ベース車輛が既に製造中止の為、マシンの開発には制約がかかり、どんなにレースで勝利してもそのイメージを市販車の販売に直結することもできません。レースに参戦するメーカーとして、これほどのジレンマはないでしょう。そんな中、豊田自動車の中でもより高級ブランドという位置づけで立ち上げた「レクサス」のSC430をベース車輛にして新たにマシンを開発し、'06年のS-GTに参戦する事を決定します。
 レクサスSC430、つまりトヨタ・ソアラをベースに変更すると、スープラと比較してホイールベースが70mm延長されている為、コーナリング時の挙動が安定するという利点こそあるものの、前面投影面積は大きくなり、ドラッグが増えるという欠点が現れます。マシンの開発では、このドラッグを如何に減らすかというのが1つのポイントとなりました。SC430のエアロパーツは、スープラで培ったデザインを(細かい部分は異なるものの)踏襲する形で作られ、結果的にスープラと同等のレベルまでドラッグを減らす事に成功します。一方、そのドラッグと相反するダウンフォースを獲得するには、車体床下に流れる空気を効率よく利用するのがポイントになります。それには前後オーバーハングが長い方が有利であり、日産やホンダは、それぞれのベース車輛の前後オーバーハングを延長したホモロゲモデルを改めて発売しました。SC430はこのフロントオーバーハングが極端に短く、フロントダウンフォースを獲得するという点では非常に不利でした。従来からレギュレーションでオーバーハングの延長(900mmに満たない車輛は、900mm以内なら80mmまで延長できる)が認められていましたが、SC430に本来必要なフロントオーバーハングはそれでも足りません。しかしトヨタは他の2大ワークスが行ったホモロゲモデルの開発には手をつけませんでした。結局、何かしらの圧力があったのでしょう。GT-Aが「部品特認」という新たなレギュレーションを追加した事により、SC430のフロントオーバーハングは950mmまで延長されました。
 こうして完成したSC430は、公式テストでデビューを果たしますが、「ストレートスピードが遅い」という課題を残してしまいます。しかしいざシーズンが開幕すると、第1戦の鈴鹿に登場したSC430は、まるでテスト時に三味線を弾いていたのではないかと疑われるくらいの快走を見せ、脇坂寿一、A. ロッテラー組の36号車がデビュー・ウィン。ポイント制度の変更もあって例年以上に混沌とした'06年シーズンでしたが、その36号車が大逆転でシーズンタイトルも手に入れて、SC430は、デビューシーズンにチャンピオンマシンになったのでした。
 左のモデルはチーム・ル・マンが走らせるモービル1・SCの6号車でエブロ製。今年のチーム・ル・マンは脇坂寿一の移籍に伴い、飯田 章の相棒として片岡龍也が加入。シーズン序盤は原因不明のマシンの不調に悩まされますが、エースドライバーに復帰した飯田 章が第3戦の富士で脇坂寿一の駆る36号車と好バトルを展開。これにはホントに鳥肌が立ちました。シーズン開幕当初は36号車のミニカーを購入する予定だったんですが、この時の印象が強かった為、今年はモービル1を購入。モービル1 SCは純白のボディに薄いシルバーでメインスポンサーの「Mobil 1」ロゴが描かれており、非常に美しいマシンです。
 エブロは当初このロゴをアルミステッカーで再現し、モータースポーツ・ジャパンで参考出展していました。が、アレを現地で見た瞬間、購入をやめようと決心しました。モービル1 SCのロゴは、光線の具合によってはほとんど見えなくなるくらい、絶妙な「薄さ」なんです。アルミステッカーのような自己主張の強いモノを使っては、折角の美しさが台無しです。しかも、そのアルミステッカーの貼り方が雑で、空気入ってるし、シワだらけだし、切れてるし・・・。結局、そのアルミステッカー仕様は正規販売が見送られ、タンポ印刷によるロゴになりました。この一連の流れがあった為、今年はSCのミニカーを予約しなかったんですが、ショートと言われていた中、通常品を普通に購入することができました。イベント等で「サンプル品」として発売されたアルミステッカー仕様に満足した方達が、タンポ印刷仕様の購入を控えた結果なんでしょうか?ま、僕にとっては非常に都合のいい話でしたが。

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