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'08 HHF HYBRID CONCEPT CAR #11
24h ADAC NURBURGRING

MAKER:MINICHAMPS Evolution
MODEL No.:437 080911
SIRIAL No.:one of 1,208 pcs
DRIVER:H. H. Frentzen、D. Muller、D. Schwager、M. Engels

 '94年から'03年まで、ザウバー、ウイリアムズ、ジョーダン、プロストレーシングそしてアロウズとF1チームを渡り歩き、1度の優勝とチャンピオンシップ2位を獲得、F1引退後はオペル、アウディとDTMに出場していたハインツ-ハラルド・フレンツェン。F1デビュー前はミハエル・シューマッハやカール・ヴェンドリンガーと共に「メルセデス三羽烏」と呼ばれ、メルセデスジュニアチームとしてヨッヘン・マスとコンビを組んで英才教育を施され、Cカーを走らせていた程の「期待の星」でしたが、F1は見てないから分かりませんが、少なくともDTM時代は「なんとも残念なドライバー」な印象が拭えませんでした。そんなフレンツェンがDTMを引退したのが'06年の事。その後フレンツェンは中東のスピードカーレースに出場したりしていましたが、'08年、「最近問題視されているモータースポーツの環境問題についての提唱と、環境問題を考慮した未来の車の開発促進へのアピール」を目的としてHHFプロジェクトを立ち上げ、ハイブリッドカーによってニュルブルクリンク24hレースにエントリーする事を発表したのです。そして、そのハイブリッドカーのベースとして選ばれたのが、グンペルト・アポロでした。
 グンペルト・アポロとは、長年アウディモータースポーツ代表の任に就き、後の「クワトロシステム」のベースとなるVWの軍用車イルティス(Iltis)の開発を行い、アウディ在籍時代には25回の国際レースと4回のWRCで栄冠に輝いた実績を持つ、ローランド・グンペルトがドイツに設立した自動車メーカー、「グンペルト・シュポルトヴァーゲン(Gumpert Sportwagenmanufaktur GmbH)」が開発したスポーツカーです。
 '01年、「道交法に適合する(つまり公道使用が可能な)レーシングカーのベースマシン」の開発を目論んだMotoren Technik Mayer(MTM)社の代表であるローランド・メイヤーが、ちょうどVWとアウディの合併会社のネットワーク設立の為にドイツに帰ってきたローランド・グンペルトにその開発協力を打診。アウディ本社は、このコンセプトを聞いて「プロトタイプではなく、カタログモデルの制作」を条件に、グンペルトの参加を許可しました。そこでグンペルトは、'04年にGMG Sportwagenmanufakturを設立('05年に上述の社名に変更)し、インゴルシュタット応用科学大学とミュンヘン技術大学の協力によってマシンを開発。クロモリを用いた鋼管スペースフレームのシャシーに、マルコ・バネッタによる特徴的なデザインのカーボン製ボディを纏い、650hp/6,500rpm、86.7kg-m/4,000rpmを発するアウディ製の4,163cc 90度 V8 ツインターボエンジンをミッドに搭載したマシンは、グンペルト・アポロと名付けられました。'05年に発表、翌'06年から発売が開始されたアポロは、最高速度360km/h、0-100m=3.1秒という驚異的な加速力を持ち、ダウンフォースを極限まで追求する為、ボディの至る所に穴が空けられ、330km/hで1,500kgを超えるダウンフォースを発生する為、「トンネルの中なら天井に張り付いて走れる」とまで言われて話題となりました。
 フレンツェンがHHFプロジェクトのマシンとして目を付けたのがこのグンペルト・アポロでした。'08年1月、HHFコンセプトの元、アポロのハイブリッドカーの開発がスタートします。レギュレーションに併せて、エンジンは520hpを発するアウディの3.3リッター、V8エンジンに換装され、別途フロント駆動用に100kWを発生するモーターが搭載され、合計630hpを発生させる4輪駆動システムとなりました。Lithium Technology Corporation(LTC)社のGAIA(ガイア)と呼ばれるこのプラグイン・ハイブリッドシステムの導入により、車重が240kg増加(内8.7kW/hを発するリチウムイオンバッテリーが147kg)しましたが、このシステムは50km/hで30km以上のドライブが可能で、バッテリー駆動のみでも130km/hの走行が可能となっています。バッテリーはレース前に充電されますが、同時に搭載された回生ブレーキシステムにより走行中にも充電され、また場合によってはピットイン時にも充電が可能となっています。
 こうして開発されたマシンは、ニュルブルクリンク24hレース直前に完成し、フレンツェンの他、D. ミュラー、D. シュワガー、M. エンゲルスの4人の手により24hレースを戦いました。予選では全223台中総合22位(E1-XPクラスにライバルなし)と短い開発期間と熟成不足の割にはまずまずの出足でしたが、決勝では初期トラブルに見舞われ、レース序盤を走っただけでピットに籠りきり。規定周回数を満たさなかった為完走扱いにはなりませんでしたが、最後の最後に再度コースインして、バッテリー駆動のみでフィニッシュラインを通過して何とか恰好をつけた形でプロジェクトを終えたのでした。
 左のモデルは'08年のニュルに出場して話題となった、HHF ハイブリッドコンセプトカーで,ミニチャンプス エボリューション名義で発売されたもの。ミニチャンプス エボリューションは、PMAがMINIMAX社に委託して作られているもので、主にニュル参戦車輛をラインナップしています。なんだか販売台数が見込めないマシンは全てミニマックス社にお任せな感じですね、最近のこの業界。まぁ、お陰でマニアックなマシンのモデルが手に入るんだから、こちらとしてはウェルカムですが、中には同一車種を色んなメーカーで集める人もいるワケで、そういう方にとってはちょっとつまらない状況かも知れませんね。
 さて、モデルの方ですが、デザイン上は特に気になる部分はありません。マシン自体が何とも形容し難い、評価がまっ二つに分かれそうなデザイン(笑)ですが、良く表現していると思います。ボディ各所に空いてるインテークやダクト類へのエッチングパーツでの処理やラジエターの処理なんかは流石。明らかに個体差だと思いますが、僕のモデルではルーフエンドの左側のダクトにエッチングパーツが貼ってありません(写真参考)。脱落してケースの中に転がってるのを期待しましたが、ありませんでした(涙)。
 ところで、このマシンのゼッケンが「11」なのは、やっぱり「アポロ11号」と関係があるのかねぇ?ボディデザインが「宇宙船っぽい」ってんで話題にもなりましたし、やっぱり狙ったと思うんですが・・・。

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