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'08 Xanavi nismo GT-R #23

MAKER:EBBRO
MODEL No.:44044
SIRIAL No.:
DRIVER:S. MOTOYAMA、B. TRELUYER

 R34スカイラインGT-R以降途絶えていた日産のフラッグシップモデルでしたが、スカイラインの名を外し、グレード名の「GT-R」ではなく、車名として「GT-R」の名を冠し、第3世代のGT-Rは'07年12月から発売が開始されました。
 そんなフラッグシップモデルを、レースに出場させようというのは、メーカーとしての当然の考えなんでしょう。日産はGT-Rを発表した発売に先立つ10月のモーターショーで、'08年のS-GTに参戦する事を発表しました。が、正直言ってタイミングが最悪でした。
 '09年、S-GTは新しいレギュレーションを施行する事が決定しています。俗に「09規定」と呼ばれるこの新レギュレーションは、コストダウンと性能の均一化、そして空力性能の抑制(マシン性能の低下)による安全性の確保を目的としていますが、具体的には、参戦車輛(GT500クラス)の駆動方式をFRへ統一し、エンジンもFニッポンと共用が可能な90度V8、NA、3.4リッターに統一。外観は市販車のアイデンティティを残す為、ルーフとA、Bピラーは量産車のものを使用し、サイドからのシルエットがベース車輛を連想させなければならないとするものの、ボディのサイズは全幅最大2,000mm、ホイールベース2,700mm(±30mm)、フロント/リアオーバーハングは1,020/1,060mm(暫定)、車高1,100mmに全車を統一させようとするものです。バラエティの豊かな参戦車輛こそが、ハコ車レースの最大の魅力であるとも言える中、このような「統一」が果たして良い事なのかどうかという議論は別として、GTAは'09年からこの規定を取り入れる事を'07年8月に発表しました。
 そんな中、登場した日産GT-R。日産としては「自身のフラッグシップモデルを'08年から参戦させなければならない」という使命があります。一方で、'09年からレギュレーションが変更になるのに、'08年の為だけに新型車輛の開発を行うのでは非効率になります。そこで、GTAとホンダ、トヨタの合意を得た上で、09規定を取り入れた特認車輛としてGT-Rを開発し、'08年シーズンに参戦する事となりました。
 GT500マシンとして開発された新型GT-Rは、09規定に則り、ベース車輛のモノコックは残さず、カーボンコンポジット製のツインチューブモノコック構造を基本として、車室内にはロールケージを組み、また車体前後にはエンジンやギアボックスを組む為のサブフレームを組む方法でデザインされました。レギュレーションで定められている市販車のA、Bピラーとルーフは、ベース車輛から切り取られて、文字通りロールケージに貼付けられている状態です。こうして作られたGT-Rのディメンションですが、市販GT-Rの1,370mmもある全高は、車体下部をブッた切って09規定の1,100mm(ちなGT500仕様のZは1,140mm)となり、全幅は2,000mmへと拡大。ホイールベースはZの2,650mmから延長されて2,720mmとなり、アンダーステア傾向が強くなっていると言われていますが、市販のGT-Rのホイールベースは2,780mmもあり、08規定ならばそれを遵守しなければいけなかった事を考えれば、充分にポテンシャルアップを果たしていると言えるのではないでしょうか?長過ぎるホイールベースはボディ剛性の点でも不利ですしね。
 さて、このマシンに搭載されるエンジンですが、本来なら09規定通りV8、NA、3.4リッターエンジンが搭載されれば良かったのに、ホンダやトヨタと違って、Fポンにエンジンを供給していない日産には、該当するエンジンがありません。そこで、前年からZに搭載していた4.5リッター、V8、NAのVK45エンジンを熟成させて搭載させる事にしました(許可を取った時点で織り込み済み)。車高が下がったものの、全幅が拡大した事により、トータルの前面投影面積は拡大し、空力的には不利になったとされる09規定のディメンションを持つGT-Rですが、それによる最高速度の低下は、エンジンの排気量を3.4リッターに落とさずにすんだ事により、最小限に留められているように思われます。一方で、全幅(トレッド)の拡大に伴う前後サスペンションのジオメトリーの最適化によりコーナリング時の安定性が増した事と、大排気量によるトルクを利用してのコーナーからの脱出を考えれば、09規定と08規定のハイブリッドとも言えるGT500仕様のGT-Rは、まさに無敵と言えるかもしれません。
 こうしてデビューを迎えたGT-Rは、複雑な性能調整問題を引き起こしながら、'08年の開幕戦で23号車と22号車が1-2フィニッシュ。翌Rd.2でも105kgのウェイトを積みながらも23号車が優勝を飾り、2位に12号車が入る連続1-2を達成。その後もセパンで24号車が、鈴鹿1,000kmで12号車が、もてぎで3号車が優勝して強さをアピール。ポイントがばらけてきたので、ゴーンCEOからの至上命令とされるシリーズタイトルが獲れるかどうかが微妙になってきましたが、こうなったら22号車の優勝を狙って、「全車優勝!!」でも良いんじゃない?
 左のモデルは、'08年、久しぶりにS-GTに登場したGT-Rの23号車でエブロ製。正直言って市販車も含めてGT-Rは全然カッコいいと思わないんですが、まぁ、ハコ車レーシングミニカーのコレクターとしては押さえなきゃいけないので、
買いました(笑)。ブログの方でも過去に書いているので、ここで詳しくは書きませんが、S-GTにGT-Rを出すなとは言いませんが、'08年に出す必要は無かったのではないか?もっと言うと、出すべきではなかったのではないか?というのが正直な所。'08年はZのままで良かったじゃん。並行して完全な09規定のGT-Rを開発してれば良かったんだし。お陰でスポーティングレギュレ−ションがグチャグチャだよ。今年の性能調整なんてマニアでも正確に理解してる人いないんじゃないの?挙げ句の果てに「'09年開幕には09規定のGT-Rが間に合わない」ってどういう事?3.4リッターV8エンジンの開発が間に合わないって事なんでしょうが、来年もVK45を搭載するつもりでしょうか?一体何考えてるんでしょうねぇ、日産は。
 さてモデルの方ですが、醜いGT-Rをよく表現してると思います。モデルにしたのは初期仕様のようで、Rd.3以降に入れられるフロントフェンダー後端のスリットが入っていません。Zの時も書いたけど、このフェンダー後端とボディパネルとの隙間からタイヤが見えるようになったら良いと思うんですが、なんでブラックアウトして誤摩化すかねぇ。ミニチャンプスならDTMマシンとかでちゃんと再現するのにねぇ。

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