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'09 AUDI R8 LMS - TEAM ABT SPORTSLINE #100
24h Nurburgring

MAKER:MINICHAMPS Evolution
MODEL No.:437 091900
SIRIAL No.:one of 999 pcs
DRIVER:T.
Scheider、M. Ekstrom、M. Werner、L. Luhr

 2000年代のル・マンを席巻したアウディ。その原動力となったのは、R8から始まり、R10R15と続くLMPマシンの存在でした。中でもR8は'00年から'05年までの間、'03年を除いて5度の優勝を飾り('03年のベントレーも中身は'99年にアウディが走らせたR8Cがベース)、揺るぎない地位を確立しました。
 そんなアウディがコンセプトモデル「ルマン・クワトロ」を発表したのは、'03年のフランクフルトモーターショーでした。
 「ランボルギーニ・ガヤルド」のシャシーをベースに90mmのロングホイールベース化を行い、「アウディRS 4」から換装した4.2リッター FSI 直噴 V8 DOHCエンジン(420ps)をミッドシップに搭載(「ルマン・クワトロ」時は、5リッター  V10 FSIバイターボを搭載)し、駆動方式はお得意のフルタイム4WDのクワトロ。また、ミッションには、これまたガヤルドの2ペダルMTであるe-Gearを改良したRトロニックが採用されました。アルミ押し出しによる部材と、それを結合するダイキャストアルミ部品で構成されるスペースフレーム構造に、アルミ製アウターパネルを組み合わせるというASF(Audi Space Frame)と呼ばれるボディを採用する事により軽量化が計られた(それでも1,630kgあるけど)このマシンは、ル・マン連勝の立役者である「R8」の名を冠して'07年に市販が開始されました。その後アウディは、このR8により大パワーを発する5.2リッター V10 FSIエンジンを搭載したモデルやスパイダーを順次送り出します。
 そして'09年、Audi Sportは、ル・マン、DTMに続く次なるチャレンジの場として、FIA GT3を選択。Audi Sportは、クワトロシステムを捨ててMRとして、FIA GT3レギュレーションに準拠した「Audi R8 LMS」を開発、'09年3月から順次カスタマーへとデリバリーを開始しました。
 デビューイヤーとなる'09年、ヨーロッパ各国のカスタマーにデリバリーされたR8 LMSは、FIA-GT3選手権の他、各国の国内選手権等に出場します。中でも最も大きなイベントとなるニュル24hには、アプト・スポーツライン(97号車、100号車)とフェニックスレーシング(98号車、99号車)の2チームから各2台ずつ、合計4台がエントリー。97号車:C. アプト、J-F. エムルール、P. カッファー、L. ルーア組、100号車:T. シャイダー、M. ヴェルナー、M. エクストローム、L. ルーア組、98号車:H-J. シュトック、F. ビエラ、E. ピロ、M. フェスラー組、99号車:M. バッセン、M. フェスラー、M. ロッケンフェラー、F. ステップラー組という、DTM優勝者4名、ル・マンの優勝者4名、ニュル24h優勝者5名を含む合計14名(L. ルーアとM. フェスラーがWエントリー)という、とんでもない布陣で挑みました。
 予選では1-2をフォードやポルシェに奪われますが、3-6を独占してその速さをアピール。決勝では17時間に渡ってトップの座をキープしていた99号車が駆動系のトラブルにより後退した為、優勝こそ逃したものの、97号車が総合2位(SP9-GT3クラス1位)、99号車が5位(クラス4位)、98号車が12位(クラス7位)、100号車が23位(クラス13位)と、全車完走を果たし、その速さと共に耐久性を充分にアピールする事に成功しました。
 左のモデルは'09年のニュルブルクリンク24h耐久レースにおいて、アウディの生誕100周年を記念してゼッケン100をつけてレースに出場した、アウディR8 LMSでミニチャンプス製。大変重要なゼッケンを背負って出場した100号車でしたが、スタート時に車体の右後方をヒットされて右側のテールパイプを破損、さらにその後にエンジンがストップするという不運に。結局エンジン停止は不具合のあるプラグが回路のショートを引き起こし、その結果としてエンジン制御用のシステムに過負荷をかけていた為と判明し、直ちに修復されますが、その後も夜間に燃料供給装置の故障や右リアサスペンションの故障と、何とも踏んだり蹴ったりな残念マシンとなってしまいました。それでも一時期166位まで後退していた順位を23位まで挽回できたのは、マシンの素性の良さとドライバーのテクニックによる所が大きいでしょう。
 結局、この年のR8 LMSは、全76大会出場のうち23回の優勝と3つのチャンピオンシップを獲得し、デビューイヤーを見事に飾るのでした。
 さて、モデルの方はミニチャンプス・エボリューションとか謳ってますが、中身はスパーク。最近はミニチャンプスも縮小傾向で、逆にスパークの台頭が目立ちますね。造形的には問題ありません。非常にカッコ良いです。100号車はシルバーにマットブラックのカラーリングが肝ですが、モデルではドアより前側はデカール処理、後ろ側が塗装によりマットブラックが再現されています。こうなるとどうしてもデカールと塗装に艶の違いが出てしまうので、ここは是非全て塗装で再現して欲しかった所です。あと、ニュル専用の特別なパッケージは有り難いと言いたい所ですが、紙台座や、レギュラー品とサイズが違うケースは辞めて欲しい所。

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