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'07 triple a Gallardo RG-3 #67

MAKER:EBBRO
MODEL No.:964
SIRIAL No.:
DRIVER:T. KUBOSAWA、H. WADA

 ランボルギーニ社のスーパーカーでS-GT(JGTC)に参戦し続けるJLOC(日本ランボルギーニ・オーナーズ・クラブ:Japan Lamborghini Owners Club)は、'06年、遂にムルシエ RG-1で鈴鹿サーキットでの開幕戦でクラス優勝を達成しました。JLOCにとって初の優勝であり、ランボルギーニにとっても世界で初めての優勝でした。
 V12エンジンの素性を活かす為、敢えてウェイトを増やしてでもリストリクター径を拡大。併せてタイヤサイズも拡大した事がその勝利の要因でしたが、皮肉にもこの勝利によってムルシエ RG-1は、性能調整の名の下にリストリクター径を2段階絞るというハンデ(その後リストリクター径-1段階+ウェイト50kgに変更)を課され、エンジンパワーを活かしたストレートスピードを削がれてしまいます。結果、その後のムルシエ RG-1は、パッとした成績を残すことができませんでしたが、JLOCは翌'07年シーズンにムルシエ RG-1の他に、新たにガヤルドを投入する事を決定しました。
 FIA GT3 ヨーロッパ選手権というレースがあります。FIA GTの前座レースとして'06年からヨーロッパで開催されているこのレースは、ノーマルの高級スポーツカーに若干の改造を加えた、日本で言うとスーパー耐久用に近いマシンで行われるアマチュアドライバーを対象としたレースで、ポルシェ997 CupやアストンマーチンのDBRS9、フェラーリF430チャレンジ等が参戦しています。ランボルギーニ社は、このGT3用の車輛としてガヤルド GT3というマシンを開発しました。ベイビー・ランボとして初めて5,000ccの10気筒エンジンを搭載し、それまでのガンディーニによるデザインではなく、親会社のアウディから出向したベルギー人デザイナー、ルーク・ドンカーヴォルケの主導によりデザインされたガヤルド。これをベースに、ムルシエラゴ等でのレース活動で知られるレイター・エンジニアリングとの協力で製作されたのが、ガヤルド GT3です。足廻りの強化やタイヤの大径化、エアロパーツの最適化等、各部のリファインが行われ、本来の四輪駆動だけでなく、二輪駆動も選ぶことができるガヤルド GT3ですが、JLOCはこのマシン(二駆の方)をベースに、GT300仕様のガイヤルド RG-3を開発したのでした。
 ムルシエ RG-1よりもコンパクトなボディの中に、よりコンパクトなV10エンジンを搭載するガイヤルド RG-3は、前後重量配分に優れ、そのパフォーマンスが期待されましたが、サーキットに姿を現したガイヤルド RG-3は、エンジンはほぼノーマル、ミッションもHパターンのままという状態。しかも、マイナートラブルで2台とも開幕戦を走れず、その後もマイナートラブルに泣かされマトモにレースする事すら適わず、仮に走っても他車と較べてタイムが伸びません。これは、本来ならより大きなリストリクターが使えるハズでしたが、それを許可していた(旧)GT-Aが、債務超過問題等ですったもんだした挙げ句組織変更してしまい、その条件が白紙になってしまった為。結果、他のマシンと較べて明らかにパフォーマンスが不足する中、ガイヤルド RG-3は厳しい闘いを強いられる事になります。シーズン後半になって2度の性能調整を受け、またマシン自体もエンジンの圧縮比アップによる出力の向上や、足廻りの改造が進められますが、まだまだ改良すべき所も多く、ガイヤルド RG-3にとっては苦しい初年度となってしまいました。
 左のモデルは'07年、GT300クラスにエントリーしたJLOCのトリプル a ガイヤルド RG-3の67号車でエブロ製。ちょっと前に発売したムルシエ RG-1の方はダイキャスト製なのに、なんでコッチはレジン製なのかね?両者の需要にそんなに差があるとは思えないけど・・・。まぁ、個人的に材質にはこだわらないので、デキさえ良ければ文句はないのですが。
 モデルの造形に関しては特に問題ないと思います。特徴的な短いリアオーバーハングを見てると、(空力的に)厳しいだろうなぁ・・・とつくづく思います。あれだけリアウィングが後退してるのも頷けます。
 モデルを見てて残念なのは、ルーフトップのセクターの腕時計が、なんだかとってもちゃっちい事。ムルシエ RG-1の時は結構ちゃんとしてたんですけどねぇ。
 最後に、本文中の車名についてですが、ベース車輛では一般的な「ガヤルド」と表記し、GT300マシンでは、JLOCの則竹会長のこだわりである「ガイヤルド」と表記しています。「<ガイヤルド>と発音しているように聴こえるから」というのがその理由なんだとか。個人的には「???」って感じで、一般的な表記の「ガヤルド」を推したい所ですが、ここではチームのエントリー名を尊重しますので、RG-3に関しては「ガイヤルド」と表記しています。

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