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'09 HIS ADVAN KONDO GT-R #24

MAKER:EBBRO
MODEL No.:44175
SIRIAL No.:
DRIVER:S. ARA、J. P. OLIVEIRA

 '09年、GT500に参戦する3メーカーの合意の元、S-GTは新しいレギュレーションを施行する事になりました。コストダウンと性能の均一化、そして空力性能の抑制(マシン性能の低下)による安全性の確保を目的としたこの規定は、具体的には参戦車輛(GT500クラス)の駆動方式をFRへ統一し、エンジンもFニッポンと共用が可能な90度V8、NA、3.4リッターに統一するというものでした。
 そんな中、日産は新型GT-Rを発売。これに合わせてS-GT のベース車輛をGT-Rへと変更し、'09規定を前倒しする形で'08年シーズンに参戦するべく開発が行われました。カーボンコンポジット製のツインチューブモノコック構造や、低くカットされた車高等、大まかな部分は'09規定に則り開発されましたが、トヨタやホンダと異なり、Fポン用エンジンを持たない日産は、新規定エンジンの開発が間に合わず、結局2社の合意を得て、前年までZに搭載されていた4.5リッター、V8、NAのVK45DEエンジンが継続採用されました。
 こうしてデビューを迎えたGT-Rは、性能調整に関わる様々な問題を巻き起こしながらも全9戦中7勝し、ニスモがシリーズタイトルを獲得して、そのデビューイヤーを見事に飾ったのでした。
 そして新規定の正式スタートとなった'09年、GT-Rは、3.4リッターV8エンジンの開発が間に合わないとして、再び去年と同じエンジンを搭載します。前年はシャシー、ボディが'09規定前倒し採用の為、特認車輛扱いでしたが、'09年はエンジンが旧規定という事で、再び特認車輛扱いに。ボディワークを見ると、本来ボンネットの形状変更が認められていない'09規定に合わせて、エアボックス形状の見直しによりボンネットの膨らみを無くし、それまでカナード翼が着いてたフロントバンパー両端は、エアダクト用のスリットが設けられました。またリアフェンダー後端が直線的になっており、この辺は'09規定によりダウンフォースが減少したフロント側とのバランスを考慮した結果かも知れません。また、興味深い所ではエアコンの装着があります。酷暑のセパンを始めとして、夏場のコクピットの環境改善は、タイムアップに繋がる事は明確で、日産が数年前から開発していたエアコンの導入に踏み切ったのは、興味深い所です。
 こうして登場した'09仕様のGT-Rは、開幕戦、雨の岡山国際をコンドーレーシングが制してチームの国内初優勝を飾ると、これが前年から続いてGT-Rの5連勝。Rd.3では1号車、Rd.4では3号車が、そして苦手とされるSUGOでのRd.5では再び1号車が勝利します。下馬評通りシリーズ2連覇なるか!?と周囲を期待(失望?)させますが、他のマシンの熟成が進み、またシーズン途中でGT-Rへのハンデも加わったこともあり、GT-Rはその後やや失速。ポイントランキングでは1号車が首位をキープしていたものの、最終戦でまさかの逆転負け負けでトムスにタイトルを奪われ、シリーズ2連覇は夢と消えたのでした。
 左のモデルは、'09年仕様のHIS アドバン コンドー GT-Rの24号車でエブロ製。今年は赤×黒のツートンカラーが復活した3号車を買うという手もあったのですが、GT500参戦以来、なかなか購入の機会が無かったコンドーレーシングのマシンをチョイス。参戦当初はヤッちゃったカラーリングでどうなる事かと思いましたが、良い感じに落ち着きましたね。一昨年のセパンでの初勝利以来、毎年1勝している同チームは、ドライバー2名が比較的安定志向の強いドライバーということもあり、なかなか目立つことがありませんが、ヨコハマタイヤが当たれば、他車を寄せ付けないパフォーマンスを示してくれます。
 さて、モデルの方は、今までと特に変わりません。カナード翼が禁止になった事により、いつも分厚い板を着けてくれていたエブロにとっては、良かったのかもしれませんね。スパークとかだと結構薄く作ってくれるんで、見た目にもカッコいいんですが、エブロのカナード翼のカッコ悪さったら無かったですからねぇ。
 個人的には、最近「このモデルは第○戦仕様」みたいに詮索する事に興味が無くなってしまったので、エアロパーツの仕様がチャンポンになっているかどうかは分かりませんが、当然さまざまな仕様を収集するというのもアリだとは思いますので、そういう方はそれぞれの違いをジックリ観察するのも良いと思います。メーカーの商売の仕方の善し悪しについて語るつもりはありませんが、世界中をみても、これだけ1シーズンに同一車種でこれだけ仕様違いのモデル化がされるというのも、希有な事だと思いますし、貴重な事だとは思いますので。

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