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'94 ALFA ROMEO 155 V6 TI DTM #2

MAKER:MINICHAMPS
MODEL No.:430 940202
SIRIAL No.:
DRIVER:A. NANNINI

 '84年にDPM(Dutsche Produktionswagen Meisterschaft)を経て、DTM(Deuiche Tourenwagen Meinsterschaft)と名称を変え'96年まで開催されたDTM('96はITC)は、'00年に発足し、現在行われているDTM(Deutsche Tourenwagen Masters)とは別モノで、この2つのDTMはそれぞれ、旧DTM、新生DTMと区別されます。'80年代後半に、FIAが統括するETC・WTCがGr.A車輛によって争われる事にメーカー側が不満を持ち衰退していくのと対照的に、人気が上がっていく旧DTMは、排気量による性能差が出にくいレギュレーションとスプリントレースが特徴で、当初ETC仕様の比較的大人しかった参加車両は、その人気を繁栄してか、徐々に過激なものへと変貌していきます。その切っ掛けとなったのが、'93年からFIAが発足した新しい車両規格クラス1の導入。これは連続した12ヶ月間に25,000台生産された車をベースに、2,500cc以下、6気筒以下のNAエンジンで、同一メーカーがラインナップするエンジン形式なら使用してOKというものでした。
 ジョルジオ・ピアンタ始め、ランチア・デルタでWRCを席巻したアバルトのスタッフを吸収したアルファ・ロメオのワークス、「アルファ・コルセ」は、DTM参戦の前段階として'92年にCIVT(イタリア・スーパーツーリング選手権)に155GTAで参戦。圧倒的な力を見せつけると、'93年からDTMに打って出ました。CIVTに参戦しながら9ヶ月間で作成した155 V6 TIは、155GTAの2リッター、4気筒横置きエンジンを、V6、2.5リッター縦置きエンジンに載せ変え、各部をより進化させて登場しましたが、このマシンにはランチア・デルタに搭載されていた4WDシステムが驕らていたのでした。
 '93年、メルセデスらドイツメーカーが幅を利かせるDTMに鳴り物入りで参戦したアルファ・ロメオは、デビュー戦を1、2フィニッシュで飾り、デビュー・シーズンを20戦14勝、6ポールポジション、15回のファステスト・ラップという優れた成績を収め、元F1ドライバーのニコラ・ラリーニがシリーズチャンピオンを獲得しました。
 翌年アルファ・コルセは開発当初からの改善目標であったエンジンの軽量化に着手。シリンダーブロックをコンパクト化してクランンクシャフトも切り詰め、トータルで7%(15kg)の軽量化を達成。'93年にはクラッチ込みで145kgあったエンジンはようやく130kg台に収まりました(ちなみに開発当初の目標は110kg)。また、コーナリング中の姿勢制御を目的として、F1のマクラーレン用のシステムを手がけた事でも有名なTAGシステムが開発したアクティブサスペンションを搭載すると共に、ABSも装備されました。
 外観は空力関係が一新され、ラジエターやオイルクーラーにエアを導く為にノーズに設けられたインテークは小型化され、バンパーサイドのアウトレットは大型化されました。また、リアブレーキの冷却用にボディサイドにエアインテークが追加されました。
 こうして登場した'94年の155 V6 TIでしたが、アルファロメオを研究し尽くしたメルセデスにシリーズチャンピオンを奪われるものの、155はその迫力あるフォルムにより、人気を不動のものとしました。
 左のマシンは、ヘリコプター事故により右腕を切断されるものの、再生手術に見事成功しレースシーンに復帰を果たした、元F1ドライバーのアレッサンドロ・ナニーニ(Ex:ベネトン・フォード)が'94年にドライブした155 v6 TIの2号車でミニチャンプス製。いわゆるDTMパッケージという、特徴的な紙箱に入っています。如何にもアルファロメオらしい美しい赤色のボディに描かれているのは、アルファロメオのエンブレムとしてお馴染みのビスコンティ家の紋章、「人を食べる蛇」!!
 アルフィスタじゃなくても、惚れ惚れしますよねぇ。

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