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'97 avex DOME MUGEN NSX #18

MAKER:EBBRO(LEGEND OF JGTC)
MODEL No.:44219
SIRIAL No.:
DRIVER:T. KUROSAWA、K. YAMAMOTO

 日産やトヨタの参戦により徐々に活気づいてきたJGTC。ホンダと縁の深かった高橋 国光氏が率いるチーム国光は、'95年のル・マンに参戦したTCP製GT2仕様NSXをベースとしたマシンで、'96のJGTCのGT500クラスに参戦しました。JGTC参戦前には、十勝24時間での総合優勝、また鈴鹿1,000kmでは総合5位、クラス優勝を達成していたNSXでしたが、残念ながらJGTCデビューイヤーは芳しい成績は残せませんでした。
 '96年のチーム国光の参戦は、言ってみればプライベータでの参戦でした。そのチーム国光のNSXが苦戦しているのを受けて、ホンダが立ち上がりました。無限で開発されたエンジンを、童夢が開発したシャシーに搭載するという、「無限×童夢プロジェクト」をスーパーツーリングのアコードで成功させたホンダは、'96年11月頃、そのプロジェクトの第二弾としてJGTC用NSXの開発をスタートさせました。
 比較的小型で、重量配分に優れたミッドシップレイアウトのNSXは、レーシングカーのベースモデルとして高いアドバンテージを持っていましたが、エンジンルームが狭く、エキゾーストの取り回しが難しいという欠点があります。その後、幾度もエキゾーストのレイアウトが変更される事から、この欠点は、NSXがミッドシップである限り、ずっと付きまとうものだという事は容易に想像できます。また、ル・マンにエントリーしたTCP製のNSXでは、このエキゾーストレイアウトの問題をクリアする為に、フロア全体を60mm持ち上げて、その下にパイプを通すという、「重量物(エンジン)をなるべく下に配置する」という、レーシングカーを開発する際のセオリーを無視した、まさに苦肉の策を施していた事からも、その問題が如何に大きいかが分かります。
 そこで、JGTC仕様NSXのシャシー開発を委託された童夢は、車体はそのままに、無限が開発し、3,450ccまでアップされたC32Bエンジンのマウントを47mm持ち上げ、オイルパンと路面の間にできた空間に、エキゾーストを通す事で、この問題を解決しました。
 量産車としては珍しく、当時NSXの特徴として話題となったアルミ製モノコックは、軽量であるものの、レギュレーションで規定されている鋼管製ロールケージとは、熱膨張比が異なる為、直接溶接ができないという欠点があります。童夢はこの欠点を克服する為に、スチールのあて板を使用し、リベットと接着剤でロールケージを接合し、さらに接合部をカーボンシートで補強するという荒技を用いました。
 また、足廻りは前後ともベース車輛と同じダブルウィッシュボーンが採用されましたが、ライバル2社に先駆けてインボード式が採用されました。
 こうして開発されたNSXは、ハコ車のレーシングカーにようやく「空力デザイン」という考えが生まれてきた時代に、童夢のムービングベルト付き25%風洞を用いて研究された、特徴的な吊り下げ式フロントウィングを持つ「空力マシン」として、'97年の第2戦、富士スピードウェイで18号車と100号車の2台がデビューしました。残念ながらデビュー戦はミッショントラブルにより両マシン共リタイアとなり、その開発期間の短さが露呈しますが、第5、6戦で100号車が2位に入り、NSX-GTの素性の良さを示しました。結局この年はトヨタの圧勝でシーズンを終了しますが、翌'98年、ホンダは4台体制となり、全戦ポールポジションを獲得、NSXの「速さ」を知らしめる事になるのでした。
 左のモデルは、'97年、無限×童夢のホンダワークスとして開発、初めてJGTCに登場したavex DOME MUGEN NSXの18号車でエブロ製。'97年仕様NSXが待望のモデル化という事で、期待度が高かったんですが、いやぁ、もうガックリですね。あまりにも実車とカラーリングが違い過ぎます。ベースとなる紺色は全体的に色が濃過ぎる上に、サイドの白い部分の面積が大き過ぎます。実車はavexのロゴサークルよりも下ですからねぇ・・・。プロポーションは優れているだけに、ホントに残念。18号車は、このavexカラーが最大の特徴と言えますからねぇ。そのカラーリングの再現性がこんなに低くなると、もう全く別の車と言っても過言ではありません。どこをどう調べたらこんなになってしまうのでしょう?ちゃんとモニターのキャリブレーションしてないんじゃないの?
 最後にこのモデル、エブロが新しく立ち上げた「LEGEND OF JGTC」というシリーズからのモデル展開なんですが、エラく安っぽい紙箱ですね。それなりの雰囲気を出そうというデザインの意図は見られますが、材質が悪過ぎです。横から開こうとするだけで、紙箱を破きそうになってしまいます。もう少し厚手のものにならないんでしょうか?僕は紙箱捨てるので構いませんが、おそらく世のコレクターには不評なんじゃないかと・・・。

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