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'98 NISSAN R390 GT1 #31

MAKER:Onyx
MODEL No.:XLM99002
SIRIAL No.:2453/5000
DRIVER:E. COMAS、J. LAMMERS、A. MONTERMINI

 左の車は日産が、'97年のル・マン用として、TWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)と共同開発したマシンR390 GT1の'98年スペックで、この年ル・マンに出場した3台の日産車(♯30、♯31、♯32)の内の1台です。'97年に出場した際は、スプリント的な一発の速さはあったものの、その開発時間の短さから耐久性・信頼性に欠け、エントリーしていた3台の内、2台はミッショントラブルでリタイア、星野選手等がドライブする23号車が唯一15位完走を果たした程度でした。
 そこで日産は'98年のル・マンに向けてR390に改良を施します。特に'97年のル・マン参戦時にネックとされていたミッションの強化を図り、その結果「爆弾を使わないと壊れないミッション」と言わしめました。また、650bhpを発揮する3496cc、V型8気筒ターボチャージドエンジンはトルクが増加され、それを的確に路面に伝える為にタイヤサイズも変更されました。そして外観上'97スペックと比較して最も変わったのは、そのロングテール(ダックテール)化にあります。これにより、高速走行時のスタビリティが向上しました。ストレートスピードが高く、直線距離が長いサルテ・サーキットにおける正常進化と言えるでしょう。
 レース本番、高速域での安定性が向上したとは言っても、ポルシェトヨタメルセデス等、他メーカーと比べるとタイム的には見劣りがするR390 GT1。良くも悪くも「耐久レース的」な走り方を強要され、その結果上が潰れた事もあり、星野一義/鈴木亜久里/影山正彦のドライブした32号車がル・マン史上日本車の日本人による初の表彰台という3位入賞を果たしました。また30号車が5位、31号車が6位、33号車が10位と、参戦した4台全てがトップ10に入るという好成績を残しました。
 左のモデルはオニクス名義のビテス製。6位に入賞した31号車です。オニクスからはこの年に出場した4台全てがモデル化されています。正直フロント廻りの造形は全くダメ。タミヤ製の前年仕様と比べると、明らかにあちらの方が実車の雰囲気を上手く捉えてると思います。こちらの方がスリムな感じで、フロントマスクさえ気にならなければ、デキは良いと思うのですが・・・。ちなみに、ホモロゲ取得用のロードバージョンは、こんな感じ。販売はされてません。

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