Home > SUPER GT 2005~2009 > '07 TAKATA DOME NSX #18
'07 TAKATA DOME NSX #18

MAKER:EBBRO
MODEL No.:918
SIRIAL No.:
DRIVER:R. MICHIGAMI、T. KOGURE

 フロントタイヤの大径化に伴い、コーナリングマシンとして復活した'06年仕様のNSX。その成果は全チーム優勝という快挙をもって充分に確認されました。そして翌'07年、NSXはさらなる進化を遂げ、シリーズを席巻する事になるのです。
 '07年シーズンにおけるレギュレーション変更で特筆すべき点は、最低地上高がそれまでの50mmから60mmへと上げられた点と、新たに導入されたステップドボトム規定。厚さ30mmのスキッドプレート(正確には厚さ20mmの台座と、それに装着される10mmのスキッドプレート)を車体底面中央の前後方向に装着するというこの規定により、ダウンフォースを減少させてコーナリング速度を強制的に落とそうというものです。SC430とZでは前後オーバーハングの延長が認められた事もあり、コーナリングマシンであるNSXは例えリストリクターが1ランクアップされたとは言え、相対的に戦闘力が落ちるだろうとの前評判でした。
 しかし、この年のホンダ陣営は本気でした。2年毎にフルモデルチェンジするGT仕様のNSXは、ちょうど今年がそれに当たりました。ステップドボトム規定の導入により
30%低下したダウンフォースの影響を最小限に食い止める為、フレームも新設計とし、'06年仕様と比較して共通部品は一切無くなりました。また、ダウンフォースが減った分、メカニカルグリップを稼ぐ為に足廻りも改良が加えられました。特にフロントサスペンションの進化は劇的で、これによりフロントタイヤのライフが伸び、レース中のタイヤ交換は「リアタイヤ2本のみ」という選択が可能となり、レース戦略に幅が出ました。
 こうして完成したNSXを擁するホンダ陣営は、ARTA、童夢レーシングチーム、ナカジマレーシング、チーム国光の4チームの他に、今年新たに金石従兄弟ペアがドライブするローリングストーン・リアルレーシングを加えた5台体制となりました。
 シリーズ開幕前のテストから「NSXは不利」の下馬評を覆す仕上がりを見せていたNSXは、開幕戦鈴鹿サーキットでの予選で、ARTA NSXをドライブする伊藤 大輔が前人未到の1分49秒842という夢のタイムを叩き出し、トップ4を独占。決勝でも終盤まで1-2-3体制を築きますが、3位のRAIBRIGがクラッシュ。次いで2番手のTAKATAが、そしてファイナルラップで1位走行中のARTAが共にエンジントラブルでリタイアと、攻めたエンジン作りが裏目に出てしまいます。しかし第2戦ではARTAが優勝。第4戦ではARTA、TAKATAが1-2フィニッシュ。以後も第7戦にはTAKATAが念願の勝利を手に入れます。第8戦ではC32Bシリンダーブロックをベースに排気量を3,968ccまで拡大したエンジンを実験的にREAL NSXに搭載。リストリクターとの兼ね合いで、ピークパワーこそ落ちるものの、NSXの欠点とされていた低回転域でのトルク向上を狙ったこのエンジンを搭載するREAL NSXは、残念ながらオイルラインの出火により決勝を走る事はありませんでしたが、そんな中でもARTAが優勝し、GT選手権始まって以来初めて、最終戦を待たずしてドライバーズタイトルを決定させました。また、最終戦でもEPSONが勝利した事により、NSXは、ドライバーズランキング1-2-3-4を達成。チームタイトルはARTA、その他ポールポジション6回、優勝5回、2位5回、3位3回と、'07年はまさにNSXの年と言える1年でした。
 左のモデルは'07年のTAKATA童夢NSXでエブロ製。圧倒的なパフォーマンスを示したNSXの中でも、ホントなら優勝したARTAをコレクションするべきなんでしょうが、僕、あのカラーリング大嫌いなんですよ(爆)。オートバックスはシリーズの冠スポンサーなので、1度はミニカーを買いました('05年仕様)が、もう2度と買いません。反対に何故かホンダ陣営の中でもエース格のTAKATA童夢を今まで購入してませんでしたが、これも実は「今から思えば、昔(シートベルトがデザインされてた頃)の方がカッコ良かったなぁ・・・」という理由によるもの。それでは何故今年はTAKATA童夢を買ったのか?と言えば、シーズン前半のあの「ツキがない」感じが、もう気の毒で気の毒で・・・(涙)。NSXが記録した6回のポールポジションの内、5回はTAKATA童夢の記録したもの。特に第2〜5戦の4連続PPはシリーズ初の快挙です。でもこれは逆に言えば、決勝で結果を残せず、ウェイトハンデをほとんど課せられなかった結果という事もできますから、チームにしてみたらホントに複雑な心境だと思います。
 さてモデルの方ですが、この年のNSXの特徴である、リアフェンダー後端の処理、またコンピューター等の冷却用に昨年途中から導入された、ボンネット上のシャークルーバーの再現もバッチリ。塗装に関してはメタル粒子が若干荒いですが、それはまぁ、仕方のない所。そうそう、3枚目の写真の通り、ステップドボトム規定の導入によるスキッドプレートもきちんと再現されています。全体的な完成度は非常に高いのではないでしょうか?
 え!?エブロのNSX特有のフロント部分の厚みに関してですか?もう諦めました(苦笑)。

inserted by FC2 system