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'07 YellowHat YMS モバHO! TOMICA Z #3

MAKER:TOMICA EBBRO
MODEL No.:
SIRIAL No.:
DRIVER:S. PHILIPPE、M. YANAGIDA

 '06年、最高速の向上と空力性能の向上に主眼を置いて積極的にマシン開発を行ったニスモ。二スモの2台と、インパル、ハセミに加え、新たにKONDOレーシングを陣営に加えたZ勢でしたが、タイトル奪還の夢は叶いませんでした。
 この不振が、エンジンの違い(ターボ or NA)によるレギュレーション(リストリクター径)に起因するものだと解釈したニスモは、エンジンの換装を決意。それまで使用していた60度のV型6気筒、2.987cc VQ30DETTターボエンジンから、90度V8、4,494cc、VK45DE、NAエンジンへと変更されました。市販車に初めてターボエンジンを搭載した日産にとって、「日産=ターボ」という伝統、こだわりを捨てるのは大きな決断であったと思いますが、NSXはともかく、SC430のような大排気量NAエンジンの優位性は明らかであり、このエンジン換装は背に腹は代えられないというのが正直な所でしょう。
 このエンジン換装に伴い、エンジンのバンク角が変更になった為、低重心化がなされましたが、一方で横幅が広くなった為、サスペンションの取り回しは一から設計し直す羽目になりました。またエンジンの気筒数が増えた事によりエンジン自体の重量はアップされました。しかし、NA化に伴いターボの補機類が無くなった為、トータルの重量は若干軽量化されたようです。
 毎年のように空力関係のモディファイが行われているGT500マシンですが、'07年仕様のZの特徴と言えば、リア周りのデザインでしょう。柿元総監督曰く、「昔のZはお尻が官能的でしたが、今年のはそうではなくなりました」との事。僕に言わせれば、「官能的」だったお尻は市販車だけだと思いますが、柿元総監督の言いたい事は、マシンを見れば一目瞭然です。今まで派手な意匠ではあったものの、まだボディのラインに沿った一体感があったリアフェンダー後端のデザインは、 '07年仕様になると既に別の物体。しかもコースによっては下半分を取り外すことも可能という事で、もう美しさの欠片もありません(苦笑)。
 さて、こうして開発された'07年仕様のZは、2月9日に行われた「2007日産モータースポーツ体制発表会」でお披露目され、「直線番長」と表現されました。今まで大排気量NA車に直線スピードで歯が立たなかったニスモ陣営が、'07年仕様のマシン開発にかけた意気込みが表れる発言でした。シーズン当初はニスモの2台にのみ投入され、Rd.3からサテライトチーム全てにデリバリーされた'07年仕様でしたが、肝心の成績はRd.3でのニスモの1-2フィニッシュ、路面改修の影響で混乱したセパンでの(タナボタ的な)KONDOレーシングの勝利を除くと、苦戦の続く1年となってしまいました。この年のレギュレーション変更最大の話題は、ステップドボトムの導入と、空力的に有利とされるNSXと同じレベルまで前後オーバーハングの延長が認められる事になったという点でしたが、結果的にこの前後オーバーハングの延長が、トヨタ、日産勢を無限の迷宮、泥沼のゼッティング地獄へと誘い込む事になり、結果的にシリーズタイトルは一日の長があるNSXに奪われる事になるのです。
 左のモデルは'07年のイエローハットYMSモバHO!トミカ Zで、トミカエブロ製。長谷身さんとトミカとの長年の関係から、3号車は例年エブロ製のモデルをトミカから発売という形式が採られています。成績の方は辛うじて鈴鹿1,000kmでポールポジションを獲得していますが、この年もシーズン未勝利に終わり、KONDOレーシングに先を越されてしまいました。GT500のZで優勝してないのって長谷見さんちだけじゃない?
 さて、モデルの方はエブロから発売されている物と変わりないと思いますが、どうも前後フェンダー後端のフィン等で、ダイキャスト故の厚みが気になります。また、フロントフェンダー後端上部内側に蓋がされてて、タイヤが覗けないのも×。こういう細かい所はダイキャストに拘らずにプラスチックで繊細に作って欲しいものです。タダでさえエブロのモデルは全体的にボッテリしてるんだし。

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