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'07 ZENT CERUMO SC430 #38

MAKER:EBBRO
MODEL No.:908
SIRIAL No.:
DRIVER:Y. TACHIKAWA、T. TAKAGI

 '02年をもって市販車の製造が中止されたスープラに替わり、'06年からレクサスブランドのSC430をベースとするマシンをGT500に投入したトヨタ。フロントのオーバーハングが極端に短いSC430は、ライバルの2台と較べてフロントダウンフォースを獲得するのが困難であるという欠点がありましたが、GT-Aは「部品特認」という新たなレギュレーションを追加してこれを救済。これによりSC430のフロントオーバーハングは950mmまで延長が可能となり、戦闘力がアップ。SC430はデビューシーズンにチャンピオンマシンになったのでした。
 翌'07年、この年のレギュレーション上の話題は、何と言ってもステップドボトム規定の採用(GT500のみ)です。ダウンフォースの減少と重心の上昇により、コーナリング性能を低下させ、上がり過ぎたコーナリング速度を落とすのが目的でした。しかしトヨタのSC430と日産のZは、このステップドボトム規定の採用によるダウンフォースへの影響を最小限に抑える事ができました。前後オーバーハングを、それまで最も長かったNSXと同レベルまで延長する事が認められた為です。これを受けて、トヨタはSC430のフロントアンダーパネルを1,020mmまで延長。また、リアはバンパーの延長こそ行わなかった(シーズン後半には延長)ものの、ウイングの取り付け位置をより後退させて効果の増大を狙いました(ウイング自体はやや小型化されました)。
 しかし、このフロントのダウンフォース増加が思わぬ足枷になります。ステップドボトム規定の採用による重心の上昇も相まって、走行中の姿勢変化にナーバスな特性を示すようになってしまい、トヨタはシーズンを通して泥沼のセッティング地獄に入ってしまったのです。'06年の開幕戦、強風により空力マシンのNSXがその実力を発揮する事無く沈んだように、あまりにも空力に頼る昨今のGTにおいては、「ダウンフォースは大きければ大きい程良い」というわけにはいかず、手懐けられない「風」は、ピーキーな特性を招くだけだったのでした。
 また、リストリクター径が大きくなった'07年仕様のNSX、エンジンをNA化したZと異なり、動力面での大幅な性能アップが望めないSC430は、'06年仕様で持っていたストレートスピードのアドバンテージを相対的に失う事になり、その事もSC430には不利に働きました。
 こうして2年目のシーズンを迎えたSC430は、タナボタで38号車が開幕戦を制したものの、その他は終盤に降り出した雨の中、見事な作戦勝ちで鈴鹿1,000kmを1号車が制したに留まり、シーズンを通して苦戦を強いられました。
 左のモデルは'07年の開幕戦、上位を走行していたNSXがトラブルで沈む中、タナボタで優勝を手に入れたゼント・セルモSC430で、エブロ製。今年のゼント・セルモのデザインは、ドライバー2名が「走行時に観客から見てカッコ良く見えるように」と要望を出して考案されたんだったと思います。車体左フロントから右リアにかけて引かれた対角線により、車体が大きくブラックとシルバーに塗り分けられています。観客は、車体左から見ればシルバーに、右側から見ればブラックに見えるという構図。確かに新鮮な感じはします。あんまり躍動感があるとは思えないけど(爆)。
 さて、モデルは'07年の前期仕様をモデル化しているようで、リアバンバーの形状が後半戦のモノとは異なります。肝心のボディのメッキ処理は問題なし。'06仕様のRAIBRIG NSXでも問題ありませんでしたし、心配する必要ないのかな?

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