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'08 PETRONAS TOM'S SC430 #36

MAKER:EBBRO
MODEL No.:44053
SIRIAL No.:
DRIVER:Juichi. W、Andre. L

 スープラに替わり、'06年からSC430投入したトヨタ。本来フロントのオーバーハングが短く、空力的に不利なディメンションを持っていましたが、GTAが新たに定めた「部品特認」によりこれを延長しました。SC430は、翌'07年のレギュレーション変更(ステップドボトム導入)の際にも、さらに前後オーバーハングを、それまで最も長かったNSXと同レベルまで延長する事が認められました。しかし、これによるダウンフォースの増加が、姿勢変化にナーバスな特性を生み出すことになり、SC430はシーズンを通して泥沼のセッティング地獄に入り、不本意な成績に終わりました。
 '07年に圧倒的な性能でシリーズを席巻したNSXと、'08規定と'09規定のハイブリッドで登場して注目を集めたGT-Rの間に挟まれるような形で、やや地味な傾向のあった'08年のSC430でしたが、'07年シーズンに問題となった挙動の安定化を柱として、レギュレーションの変更による、リストリクター径の一律1サイズダウンに伴う、エンジン特性の中低速化や、軽量化が行われました。規定により、昨年と同様のフレームを使わなければいけない事から、それほど大掛かりなモディファイを行うことができなかった'08年のトヨタでしたが、それ以前に、この年のトヨタ陣営は、'08年仕様の開発に力を注ぐことができませんでした。翌'09年の大幅なレギュレーション改定を見据えた新型車輛の開発を同時に進行しなければいけなかった為です。ライバル2社は、早々に'09年開幕に新規定の車輛が間に合わない事を公言し、3メーカーで決定した筈の新規定の導入にいきなり水を差しましたが、トヨタは開発力を2分して'08年仕様と'09年仕様の同時開発を実施。これにより2社に対して相当なハンデを負った事は想像に難くありません。トヨタはかなり歯がゆい思いをしながら'08年シーズンを闘った事でしょう。
 そんな訳で、'08年のSC430は、GT-Rの陰に隠れて、Rd.3での38号車が唯一の勝利に終わります。トヨタ全体として、逆境の中「打倒GT-R」という結束力は高く、シリーズを通してみると、36号車がチームタイトルを獲得し、ドライバーズタイトルでは38号車が2位、そして36号車が3位に入る健闘を見せました。しかし、レースの内容という点では、残念ながら特に目立った所も無く、トヨタ陣営にしてみれば、おそらく近年稀に見る「納得できない」シーズンだった事だと思います。
 左のモデルは'08年チームタイトルを獲得したペトロナス・トムスSC430、36号車で、エブロ製。'08年のSC430は、'09規定への繋ぎと考えるのが一番なのかもしれません。今は只、'09規定のマシンを揃えられないGT-RとNSXに対し、それ相応のハンデを背負ってもらって、頑張ったトヨタが報われる事を祈りましょう。
 さて、モデルの方は相変わらずエブロらしいボテッとした作りで、いくら何でももう少しスリムにできないもんかと思ってしまいます。なんかエブロのGTモデルって、全体的にだんだん大きくなってません?各パーツの併せも、段々いい加減になってる気がします。ここらで改善してくれないと、これからさらに悪くなっていくようだと、ちょっと困りますな・・・。

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