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'94 Mercedes C180 Klasse 1 #4

MAKER:MINICHAMPS
MODEL No.:433 943304
SIRIAL No.:
DRIVER:B. Schneider

 DTMに参戦した'88年(190Eは'85年からエントリーされていますが、AMGのエントリーは'88年から)以来、190Eを投入し続けたメルセデス(AMG)は、2.3-16、2.5-16エボリューションを経て、'90年にはエボリューションIIを投入し、'92年には遂に念願のシリーズタイトルを手に入れました。'93年途中からは、新たに市販される新型CクラスをベースとするDTMマシンを投入する計画だったメルセデスでしたが、アウディやBMWといったライバルがDTMから撤退した事に加え、新たにクラス1規定を導入したDTMの、今後の方向性が不明確だった為、計画変更を余儀なくされ、Cクラス投入の計画は凍結されました。そんな折、アルファロメオが完全にクラス1規定に準拠した155V6 TIを引っ提げてDTMに参戦する事を発表した事から、メルセデスは急遽190E クラス1を製作、アルファロメオを迎え討ちます。
 '93年、6台の190E クラス1を投入したメルセデスでしたが、10年選手の190Eをベースに突貫で作られたマシンでは、本格的なクラス1マシンとして登場したアルファロメオと較べると急造の感は否めず、新参のアルファロメオにシリーズタイトルを奪われる結果となってしまいました。
 その'93年シーズン途中の7月初旬、DTMの運営組織の1つであるOSN(ドイツ・ナショナル・モータースポーツ協会)が'94年以降もクラス1規定レギュレーションを施行する旨を発表した事から、メルセデスは'94年シーズンに向けて、一時期凍結していたCクラスのDTMマシン開発を再開させました。2.5リッター、6気筒以下のエンジンを搭載するクラス1規定は、エンジンからサスペンション、ボディに至るまで自由度の高いハイレベルなマシンの制作が可能となっており、メルセデスはCクラスにも高いポテンシャルを与えました。
 Sクラスに搭載されるV8エンジンを切り詰めて作られた(と言っても、ほとんど新開発の)V6、2.5リッターエンジンは、車体剛性を上げつつ、低重心化と最適な重量配分を得る為に、エンジンルームにまで延ばされたサブフレームに、低く、後方にリジッドマウントされました。剛性面の強化は、ロールケージを室内だけでなくサスペンションのマウント部にまで延長させる程徹底され、ドライバーズシートも重量配分を考慮して、ホイールベース中間付近にまで後退されました。4輪駆動のアルファロメオと異なり、FRであるCクラスは、トラクションを確保する為にトラクションコントロールシステムが採用され、他にもアクティブ・サスペンション(アンチロールバー)やABSといった電子デバイスが驕られました。
 こうして開発されたメルセデスC180 クラス1は、'94年のDTM開幕戦、ゾルダーでデビュー。アルファロメオとのバトルの中、3回の優勝に加え、コンスタントにポイントを稼いだメルセデスのK. ルドヴィグがシリーズタイトルを獲得。メルセデスはタイトル奪還に成功したのでした。
 左のマシンは'94年のDTMにAMGからエントリーしたC180 クラス1、B. シュナイダーがドライブした4号車で、ミニチャンプス製。この年のC180は、ミニチャンプスからプレゼンテーションカーの他に同一ゼッケンが2種類発売されていて、左のモデルは「オールドボディ」と呼ばれているもの。フロントバンパーの形状や、サイドミラーの位置(フェンダー or Aピラー)の違いがあります。で、このオールドボディと呼ばれる仕様がどのレースに出場していたのかを、映像でチェックしてみたんですが、シーズン中のどのレースでもその走行シーンを確認できませんでした。もしかしたら、映像として残っていないノンタイトル戦で使用したか、あるいはディープホルツの飛行場を閉鎖して行われた高速ステージ、Rd.11、12で使用した、ロードラッグスポイラーがこれなのかもしれません。詳しい方いらっしゃったらご教授下さい。
 '94年のDTMでタイトルを獲得したのは、前述の通りK. ルドヴィグですが、この年「最も速かったメルセデスのドライバー」と言えば、シーズン中、2度の優勝、3度のポールポジションと6度のファステストラップを記録したB. シュナイダーです。翌年、K. ルドヴィグがオペルへと移籍した後は、B. シュナイダーが文字通りメルセデスのエースドライバーへと昇格し、その地位を確立していく事になります。
 モデルのデキは、特に気になる部分はありません。この頃のミニチャンプス相応のクオリティです。

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